誤食

【概要】

誤食はしばしば起きる問題で、チョコレートやぶどう、タバコなどの中毒物や串や爪楊枝、おもちゃ、タオルなどの異物を飲み込んでしまうことで起きます。
飲み込んでからどれぐらい時間が経過したかによって、対応や処置が変化してくるため、いつ・なにを飲み込んだのかが大事になります。

 

【診断】

何を飲み込んだのか明確な場合は、飼い主様からの稟告および触診で診断可能です。ただ、いつ飲み込んだか・何か飲み込んでいるかもしれない、と内容が不定の場合はレントゲン検査や超音波検査を行い診断をしていきます。

 

【治療】

誤食してから、1~2時間以内であれば飲み込んだものによっては吐かせる処置を行います。針や串など飲み込んだ物体や種類によっては吐かせる処置をすることが危険なケースもあるので、そのような場合には内視鏡を用いて摘出したり、開腹手術が必要なケースもあります。

 

【当院における取り組み】

誤食をしたタイミングや種類によって、適切な対応が変わるためどういった選択肢があるのか、またどのような処置をした場合にどういうリスクがあり得るのか、といったところをしっかりと説明してどのような処置を行うか相談していきます。
誤食したものによっては、問題なく自然に通過するケースもあり得るため、絶対に吐かせる処置をしなければいけないわけでもありません。

 

【通院・入院の予測】

中毒物を飲み込んでいる場合、飲んでからすぐに適切に吐かせる処置ができていればほとんど問題ありません。種類によっては、内臓にダメージが出ていないか数日経過してから検査を行うこともあります。中毒物を飲み込んで、時間が経過しているケースでは入院治療が必要なこともあります。状況にもよりますが、おおよそ2~5日程度の入院となることが多いです。おもちゃなど明らかに閉塞を起こしそうな異物の場合だと、吐かせる処置で吐けない場合や時間が経過しているケースだと、全身麻酔を行ったうえで内視鏡や開腹手術が必要になることもあります。内視鏡の場合だと、1~3日程度、開腹手術の場合だと3~7日程度入院が必要になることがあります。

 

【費用の予測】

吐かせる処置を行うケースだと、およそ10000~15000円程度、全身麻酔をかけて内視鏡を用いて摘出するケースだと60000~80000円程度、開腹手術が必要な場合だと20~30万円程度かかることがあります。なお、この費用は一般的な場合の予測であり、動物の状態により異なる可能性があります。費用に関しては、診療された獣医師と詳しくご相談ください。