ワンちゃん、猫ちゃんを飼う場合には以下の予防(ワンちゃん4大予防、猫ちゃん3大予防)と避妊・去勢手術が重要となってきます。必要な予防はワンちゃん、猫ちゃんの年齢や生活環境(室内、室外飼育や同居犬猫の有無)によってそれぞれ異なります。
当院では病気になってから治療するのではなく、病気を未然に防ぐ予防医療に力を入れております。動物病院は病気になってから来院するのではなく、病気にしないためにワクチン、フィラリア、ノミダニなどの予防をしっかりと行っていきましょう。
ワクチン接種、ノミダニ予防の必要性や時期に関しては犬、猫の年齢、生活環境によって異なるため詳しくは来院するか、お電話にてお問い合わせください。
Case016月生まれ 9月より飼育開始 混合ワクチンを1回投与済み場合 | |
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9月 | 混合ワクチン2回目 フィラリア予防薬 |
10月 | 混合ワクチン3回目 フィラリア予防薬 ノミダニ(散歩を始める場合) |
11月 | 狂犬病ワクチン フィラリア予防薬 ノミダニ(散歩を始めている場合) |
12月 | 避妊、去勢手術 |
生まれた時期が春から夏の場合にはフィラリアやノミダニの予防が必要となります。
Case0212月生まれ 3月より飼育開始 | |
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9月 | 混合ワクチン2回目 フィラリア予防薬 |
12月 | 混合ワクチン3回目 |
1月 | 狂犬病ワクチン |
2月 | ノミダニ予防開始 |
3、4月 | フィラリア予防開始 |
5、6月 | 避妊、去勢手術 |
生まれた時期が秋から冬の場合にはフィラリアやノミダニの予防は1年目は必要ありません。
混合ワクチンとは、一本の注射で複数の感染症を予防できるワクチンのことです。混合ワクチンで予防できる感染症の中には、致死率の高い病気や、人に感染する恐れのあるものもあります。仔犬、仔猫は特に免疫力が弱く感染症に罹患することが多いためワクチン接種が推奨されます。
当院では犬には5~8種混合ワクチン、猫には3~5種混合ワクチンをご用意しています。 5種混合ワクチンは5種類の感染症を、8種混合ワクチンは8種類の感染症を予防することができます。しかし8種など種類が多い場合には副作用が出ることもあるため不必要なワクチンは当院ではお勧めいたしません。ワクチン接種のタイミングや必要性は生活環境や年齢などにより異なるため詳しくは獣医師にご相談ください。 (狂犬病ワクチンとは異なります。)
狂犬病は人を含めたすべての哺乳類が感染し、発病すると治療法がなくほぼ100%死亡する恐ろしい病気です。狂犬病のワクチン接種は犬を飼う飼い主に唯一法律により義務付けられています。生後91日以上の犬には1年に1回の予防接種を受ける必要があります。
近年の日本では狂犬病ワクチンの普及により発症はありませんが、現在でも日本を除く東南アジアでは狂犬病が蔓延しております。万が一日本で発症した場合にも人や犬への感染拡大を予防するため、また感染拡大を抑えるための犬の殺処分をなくすためにも狂犬病のワクチンは必要となります。狂犬病は1年に1回接種したのちにお住いの市町村への登録及び届出が必要です。
フィラリアとは蚊に刺されることにより寄生虫感染する病気です。フィラリアは心臓に寄生するため発症した場合には命に関わることがある恐ろしい病気です。フィラリアに罹らないような予防は簡単ですが、発症してからの治療は困難であるためしっかりと予防をしましょう。犬だけの病気ではなく、猫にも感染します。
フィラリアの予防には予防薬を月に1度投薬する必要があります。また万が一感染している場合には予防薬による副作用が出ることがあるため、投薬前にフィラリアに感染しているか血液検査が必要です。
当院では6月初旬より12月初旬の7か月間、月に一度の投薬による予防を推奨しています。 HDU(フィラリアの感染期間を気温データをもとに算出)のデータをもとに算出しています。
5種6種ワクチン | 8種ワクチン |
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5,000円 | 6,000円 |
一律 |
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3,000円 |
ワクチンには診察料が別途かかります(通常700円 初診の場合1000円)
フィラリアは1か月に1回の投薬が5月中旬より11月中旬の7か月間必要となります。以下は1か月あたりの体重別の料金です。
体重 | 〜11.2kg | 11.3〜22.4kg | 22.5〜44kg |
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料金 | 700円〜 | 900円〜 | 1,100円〜 |
ノミ、ダニは1か月に1回の投薬が4月より10月の7か月間必要となります。ノミダニの予防の期間は生活環境によって短くなったり、長くなったりすることがあります。以下は1か月あたりの体重別の料金です。
体重 | 〜10kg | 10〜20kg | 20〜40kg |
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料金 | 1,000円〜 | 1,200円〜 | 1,400円〜 |
3種ワクチン | 5種ワクチン |
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3,000円 | 5,000円 |
ワクチンには診察料が別途かかります(通常700円 初診の場合1000円)
フィラリアは1か月に1回の投薬が5月中旬より11月中旬の7か月間必要となります。以下は1か月あたりの体重別の料金です。
体重 | 〜5.6kg | 5.7kg〜 |
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料金 | 600円〜 | 800円 |
ノミ、ダニは1か月に1回の投薬が4月より10月の7か月間必要となります。ノミダニの予防の期間は生活環境によって短くなったり、長くなったりすることがあります。以下は1か月あたりの体重別の料金です。
体重 | - (体重は関係なし) |
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料金 | 900円〜 |
近年飼い主様の飼育への意識が高く男の子も女の子も避妊、去勢手術を受けることが一般的となってきました。通常男の子を去勢手術、女の子を避妊手術といいます。
当院では避妊、去勢手術のいい点、悪い点をご説明し不必要な手術は行いません。避妊、去勢には全身麻酔が必要であり、犬や猫にはわずかではありますが負担がかかるため、本当に避妊、去勢手術が必要であるかを動物の性格、生活環境、飼い主様の希望を踏まえて決めていきます。
避妊、去勢手術の良い点 | ||||
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犬(男の子) | 犬(女の子) | 猫(男の子) | 猫(女の子) | |
病気の予防 | △ | 〇 | × | 〇 |
発情時のストレス軽減 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
尿によるマーキング行動の軽減 | △ | × | △ | × |
攻撃性の低下 | △ | × | △ | × |
避妊、去勢手術の悪い点 | ||||
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犬(男の子) | 犬(女の子) | 猫(男の子) | 猫(女の子) | |
全身麻酔のリスク | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
繁殖ができない | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
〇 当てはまる
△ 一部当てはまる
× 当てはまらない
男の子のワンちゃんの場合には、去勢手術は生後6カ月時点での性格や生活環境により、強く推奨される場合とされない場合があります。犬の男の子の場合には病気の予防の利点はそれほど大きくないため、性格が荒く咬みつく、マーキング、腰を振るなどの発情行動が強く出る場合には推奨されますが、逆に発情行動もほとんどないような性格が優しいワンちゃんの場合には手術を見送るという選択肢もよいと思います。
しかし去勢をしていない場合には高齢になってから前立腺の病気などにかかる可能性は高くなるため、5歳以上では前立腺などの健康診断は必要となってきます。
女の子のワンちゃんの場合には、子供が欲しい・繁殖を強く希望するという特殊な場合を除いて6カ月齢程度での避妊手術が推奨されます。犬の女の子の場合には避妊手術をしないと子宮の病気、乳腺腫瘍にかかる可能性が高く、これらの病気は命に関わることもあるため避妊手術が推奨されます。
しかし麻酔や手術への不安や飼い主様の考え(健康な状態での手術を希望しない)によっては無理には手術はお勧めいたしません。その場合には万が一病気になった場合には早期発見早期治療ができるように定期的な健康診断や自宅での発情のチェックを行っていきましょう。
猫ちゃんの男の子の場合には去勢手術による病気の予防の効果はほとんどなく、去勢手術の利点としては発情行動が抑えられるという点です。よって性格が優しく、発情時の行動(大きな声で鳴き続ける、家から脱走する)が許容できる範囲であれば去勢手術は行わなくてよいと思われます。
しかし、猫ちゃんの発情時の大きな声で鳴き続ける行動はマンションなどの集合住宅では近隣の方への騒音の問題もあるため集合住宅にお住いの場合には発情行動が起こる前(6カ月齢程度)に去勢手術を行った方がよいでしょう。
猫ちゃんの女の子の場合には子供が欲しい・繁殖を強く希望するという場合を除いて6カ月齢程度での避妊手術が推奨されます。猫の女の子の場合には避妊手術をしない場合には子宮の病気にかかる可能性が高く、またこれらの病気は命に関わることもあるため避妊手術が推奨されます。
しかし麻酔や手術への不安や飼い主様の考え(健康な状態での手術を希望しない)によっては無理には手術はお勧めいたしません。その場合には万が一病気になった場合には早期発見早期治療ができるように定期的な健康診断や自宅での発情のチェックを行っていきましょう。
推奨されるタイミングは犬も猫も生後6か月程度です。
当日の身体検査、聴診、検温、血液検査を行います。
当院ではより安全性の高いガス麻酔による全身麻酔を行っております。また手術の間は心臓や呼吸の状態をモニターし常に動物の状態を把握しながら手術を行います。 また手術は極めて強い痛みではありませんが痛みを伴うため、当院では鎮痛剤をしっかりと使用していきます。
麻酔、手術後の回復が早い場合には夕方の時点で退院できます。男の子の場合には傷も小さいため多くの場合が当日退院できます。また女の子の場合にも約60%程度は当日退院できます。
退院できるかどうかは、動物の状態によって異なります。麻酔がきちんと覚めており、痛みもそれほど強くない場合には退院となります。しかし痛みに対して弱い動物の場合には病院でしか使用できない鎮痛剤をきちんと使用するために入院となります。退院のタイミングに関しては、手術を受けた動物の状態によってその都度判断します。